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No10329 の記事


■10329 / )  Freddie Hubbard
□投稿者/ rest -(2021/01/03(Sun) 22:29:53)
    2021/01/05(Tue) 09:10:29 編集(投稿者)
    2021/01/03(Sun) 22:34:49 編集(投稿者)

    Crisis-Freddie Hubbard


    https://www.youtube.com/watch?v=QTgNEz6BXA4


    牛若丸のように快刀乱麻を断つがごとく今年もがんばりましょう。謹賀新年。汗牛充棟の部屋のなかでいまだに未決着の時間論。少し触れてみたい。
     哲学者マクタガートの時間論。A系列の時間。B系列の時間。C系列の時間。B系列=A系列+C系列という具合に相互に関連しあっている。ここで「変化」というものを哲学的に理解するためにはA系列から理解する必要がある。変化とは何か。マクタガートによればB系列の時間がA系列の背後にあって未来・現在・過去と移動してくることを変化と呼んでいる。つまり未来・現在・過去は実在していてそれは決定論的時間を形成している。変化を移動と捉えているからだ。しかし哲学者の中島義道氏は異論を唱えている。その著書『時間を哲学する』(講談社pp94-95)「過去自体は普通の意味では(すなわち牛乳が冷蔵庫に保存されているようには)まったく保存されていない」と過去の実在性を否定している。
     マクタガートは過去は保存されていると考えている。
    変化について具体的に考えてみよう。水素4原子と酸素2原子が化学反応を起こして水2分子に変化したとする。現在は水2分子であり、水素4原子と酸素2原子は過去である。質量保存の法則から水2分子には水素4原子と酸素2原子が含まれている。つまり反応前の水素4原子と酸素2原子はもはや存在せず、水分子に移動したのである。もはや過去の水素4原子と酸素2原子の状態は実在しない。過去は現在に変化してもはやその実在性を失うことを示している。過去はどこにも実在しないのだ。
     そこでマクタガートのA系列の矛盾はA系列の背後にあるB系列の変化のない映像フイルムのような年表と未来・現在・過去という変化の矛盾から変化を否定し、変化を幻想と呼んだ。ここからマクタガートの決定論的時間が本格化する。
     それに対して過去実在論を否定し、ついでに未来実在論も否定した、カント主義者の中島氏や独我論の大森荘蔵氏は決定論を脱し、彼らの時間論は自由意志を確実に保証したといえるのではないか。 
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