| 現代思想1月号「批判的ポストヒューマニティーズのための理論的枠組み」(ロージ・ブライドッティ/門林岳史+増田展大訳) ポストヒューマニズムが人間=男性(Man)を万物の普遍的な尺度とするヒューマニズム的理想に対する批判に焦点を合わせる一方で、ポスト人間中心主義は種の階層秩序を認めて人間を例外視する立場を批判している。(p183) 新ー唯物論的認識論において、効した立場が生み出しているのはドゥルーズがスピノザ倫理体系から借用した決定的な区別、すなわち、量的ないし外延的な状態と質的ないし内包的な状態の区別である。言説のこうした量的な増加はパラダイム転換の主張を保持するのに充分なのだろうか。私の主張では、質的転換をともなわない単なる量的拡張は、新しい諸々の概念や概念的実践を生産するための条件としては充分ではない。信頼に足る厳密な批判的ポストヒューマニティーズを設立するためには、質的な手立てが必要である。私が示唆したい質的な価値基準とは、超ー領域性、メタ言説性、物質的基礎付け、ノマド的生成力、そしてアファーマティヴな論理である。(pp196-197)
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