| ウィトゲンシュタインは哲学におけるランボーのような天才として遇されてきたのか。
若くして「論考」一冊で哲学おわらせた、哲学にはやるべきことは何もないと豪語して。
莫大な遺産によってヨーロッパ有数の大富豪になったのに、全額放棄し、大学のポストを捨て、小学校教師になる。
そこでは激しく挫折して、カトリックの修道僧になろうとするが断られる。
そしてケンブリッジに復帰することになるが、
反対する人物からも、「ウィトゲンシュタインに哲学教授の椅子を与えることを拒否することは、
アインシュタインに物理学教授の椅子を与えることを拒否するようなものだ」と評されるほどに、
哲学者としての名声は不動になっていた。「論考」一冊で。
あと、ケンブリッジで同僚だった量子力学のディラックの回想が面白い。
ウィトゲンシュタインは「沈黙をまもる」どころか、喋りまくる人で、ディラック相手に量子力学の説法を繰り返して辟易させたと(笑)。ディラックはウィトゲンシュタインを嫌っていたようだ。
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