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Re[11]: :B141の注釈部分
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□投稿者/ おくたがわ -(2022/08/07(Sun) 20:54:13)
| ■No25377に返信(pipitさんの記事) こんばんは!!
> No25367 > おくたがわさん、こんばんは! > > 【TANTANの雑学と哲学の小部屋】さまのページで、『直接推論』の説明を見つけました。カントの言ってるimmediate conclusions (consequentiae immediatae) と同じことか否かはわからないですけど(汗) > > 『直接推論と間接推論の違いとは?演繹的推論の二つの分類とそれぞれの推論のあり方の具体例』 > > https://information-station.xyz/7581.html > > 『換位・換質・換質換位の三つの推論形式の違いと具体例、直接推論に分類される推論の形式@』 > > https://information-station.xyz/7591.html > > 全称・特称と肯定・否定という量と質の違いに基づく四種類の命題区分、論理学における量と質の意味とは? > > https://information-station.xyz/7598.html > > ここらへんさーっと読むと(詳しくはわからないので。。。) > 前提を直接推論で質や量などを変換しちゃって、推論に使用してる(操作?)って感じなのかなぁと今のところ思いました。 > 違うかなぁ。 > > まだわからないので、また考えてみようと思います。 > > おくたがわさん、考えてもらって書き込んでもらって、ありがとうございます!
とても有益なリンクをありがとうございます。
直接推理(推論)は 一つの前提のみから結論を導くもの その中に、換位と呼ばれる推論がある
> 「ある男性は水泳選手である」から「ある水泳選手は男性である」を導いたり(単純換位) > 「すべての物理学者は科学者である」から「若干の科学者は物理学者である」を導いたり(限定換位または減量換位) > 「すべての天使は不死である」から「不死なるものの内のいくらかのものは天使である」(限定換位または減量換位)
今回理解できた(と思っている)点を、新しい例文で書きます(前回と異なる例を使う理由は後で書きます)
第一格 大前提:すべての科学者は学者である 小前提:すべての物理学者は科学者である 結論:すべての物理学者は学者である
第四格 大前提:すべての物理学者は科学者である 小前提:すべての科学者は学者である 結論:ある学者は物理学者である
第四格の結論は、第一格の結論から換位で導けます。「すべての物理学者は学者である」⇒「ある学者は物理学者である」(限定換位)
大前提・小前提は全く同じ命題が入れ替わっているだけですから、 結局 「換位」なる直接推論(直接推理)によって結論部分を変えているだけ。 それがカントの言う 『純粋な三段論法の前提に直接的推論(consequentiae immediatae)を密かに導入することによって、最初の格にある推論よりも多くの推論を導き出す様式があるように見せるための企みに他ならないが』 ということになるのではないかと思います。
私は前回の例で
「ある不死なるものはガブリエルである」⇔「ガブリエルは不死である」 といった同値関係によって結論部分を置き換えることで第一格を第四格にできるので、本当は第一格しか要らないだろう、という旨を書きました。
同値とは、前者から後者を導け、かつ、後者から前者を導ける(前者が真ならば後者も真 かつ 後者が真ならば前者も真)という関係。 しかしそれは「ガブリエル」が特定の対象を指す主語だったことで成立したものだと思います。
今回の例 「すべての物理学者は学者である」⇒「ある学者は物理学者である」 は前者から後者を導けるが、後者から前者は導けない
「ある学者は物理学者である」と分かっていても「すべての物理学者が学者である」とは限らない。
というわけで、同値関係にはならないような一方通行の「換位」で結論を置き換えても、第四格の妥当な論証を作れると思われます。 なので、カントの四つの格に対する不満(第一格以外は不要)は、 『「換位」などの直接推論(直接推理)をしのばせることで多様な推論様式があるように見せかけている』ということになるのではと思います。
一つだけ
# introducing immediate conclusions (consequentiae immediatae) among the premises of
「前提の中にしのばせる」とちゃうやんけ 結論にしのばせてるやんけ という疑問点はあるかもと思いますが それはカントやから ということでダメ?
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