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Re[7]: :B141の注釈部分
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□投稿者/ おくたがわ -(2022/08/04(Thu) 22:11:37)
| ■No25354に返信(pipitさんの記事) こんばんは。面白そうなので参加させてください。カントの言いたいことを解釈するための前提(となるかもしれない)の部分を整理してみます。
The tedious doctrine of the four syllogistic figures concerns only categorical syllogisms; 「三段論法の4つの格に関する退屈な教えは、定言的(断定)な推論にのみ関わるものである。」
4つの格に関して、pipitさんのリンク先の例等を借りて整理。
三段論法の例1 大前提:すべての天使は不死なるものである。 小前提:ガブリエルは天使である。 結論:ガブリエルは不死なるものである。
・結論の述語となっている概念を「大概念(P)」と定義。 ここでは「不死なるもの」 ・結論の主語となっている概念が「小概念(S)」。 ここでは「ガブリエル」 ・大前提と小前提に共通して含まれ、結論には含まれない概念が「媒概念 or 中概念(M)」 ここでは「天使」
また、 大概念を含む前提を大前提、小概念を含む前提を小前提とする。 大前提・小前提は書かれた順番等ではなく、上記で定義されることに注意。
例1では 大前提:MはPである。 小前提:SはMである。 結論:SはPである。
という形になっており、これは 三段論法における「第一格」にあたる推論の形式。
4つの格は 第一格:大前提M−P、小前提S−M、結論S−P (上記) 第二格:大前提P−M、小前提S−M、結論S−P 第三格:大前提M−P、小前提M−S、結論S−P 第四格:大前提P−M、小前提M−S、結論S−P
Mが大前提・小前提のどの位置にあるか(主語か述語か)の組合せで2×2=4とおり。
例1と同じ概念を使って「第四格」の形で妥当な推論を作るならば
大前提:ガブリエル(P)は天使(M)である。 小前提:すべての天使(M)は不死(S)なるものである。 結論:ある不死(S)なるものはガブリエル(P)である。
となる。第一格と比べると、結論におけるSとPの内容が入れ替わっているので、大前提と小前提が入れ替わる。
(ここからは私見) ・妥当な推論であるためには、結論の「不死なるもの」は「ある不死なるものは」という形での主語とならなければならない。 「全ての不死なるものは」では妥当な推論形式にならない。大前提・小前提から結論を導けない。 ・大前提と小前提は入れ替わってもトータルで持っている意味は変わらない。要は「大前提と小前提がともに正しい(真)なら結論も正しい(真)」ということなので。
(カントの言いたいことに関係するかもしれない私見) ・ここでの結論「ある不死なるものはガブリエルである」は 「ガブリエルは不死である」と同値である。 「ある不死なるものはガブリエルである」⇔「ガブリエルは不死である」 いずれも、不死なるものを全部集めた集合の要素の一つがガブリエルであるということ。
そうすると 上記「第四格」の形式の三段論法は 第一格の三段論法と等価と考えられる。
大前提:すべての天使は不死なるものである。 小前提:ガブリエルは天使である。 結論:ガブリエルは不死なるものである。
「ある不死なるものはガブリエルである」⇔「ガブリエルは不死である」 :(同値) が分かっていれば、「第四格」は「第一格」に置き換えることができ、つまり「第四格」という分類は必要ない。 未だ試してないですが、おそらく第二格・第三格の分類も、同値の命題に置き換えれば不要となるのでは…
たぶん続きます。
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