| そうね。
あなたが私を思い出したとしても それは ただ桜並木を歩くあなたのほほに触れた風 あなたを濡らした夏の雨
あなたが私を思い出したとしても それは 木の葉がふいに枝から離れる、そんな短い間 今年最初の雪が地上に届く、そんなときの間のこと
そして日々は 過ぎ去り あるいは 自分でも知らないどこかに積み重なり
ひょっこりと忘れたころに 何気ない日常の一コマに顔を出す。
・・・あ。 ・・・違うかも。
あなたの時間の中に私は現れず 私だけがあなたを思っている、そんな図式かも知れない。
うん。 多分そう。(笑)
・・そうね。
大分前から気づいていたわ。
人ってさ、自分が世界の一部だと思っているでしょ? 実は一部じゃない。
誰でも世界の一部なんかじゃなくて世界そのもの。
だから 誰とも共有なんかできない
それぞれの世界があるだけ。
(この後何か言いたいけれど、言葉がない。)
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