| 2022/09/24(Sat) 22:54:58 編集(投稿者) 2022/09/24(Sat) 22:42:32 編集(投稿者)
問題 21 ある果実Xを食べると視力が上がると言われている。ある果実Xを食べた人と食べなかった人に同じ視力検査を行った。それぞれの検査結果から5人と7人の標本を抽出した結果を以下示す。 食べた人:1.2,0.8,1.5,1.2,1.0 食べなかった人:0.8,0.4,0.6,1.0,0.5,0.4,0.5 ある果実Xを食べた人と食べなかった人の視力検査の結果はそれぞれの正規分布N(μx,δy^2),N(μy,δy^2)に従い、δx^2=δy^2とする。 このとき、仮説Ho:μx=μy (対立仮説H1:μx>μy) を有意水準0.05で検定せよ。
解) ある果実Xを食べた人の視力の標本データXi^1,Xi^2(i=1,2,…5)と食べなかった人の視力の標本データYi^1,Yi^2(i=1,2,…7)を示す。 データ No……Xi……Xi^2 1 ……1.2……1.44 2 ……0.8……0.64 3 ……1.5……2.25 4 ……1.2……1.44 5 ……1.0……1.0
計……5.7……6.77
データ No……Yi……Yi^2 1 ……0.8……0.64 2 ……0.4……0.16 3 ……0.6……0.36 4 ……1.0……1.0 5 ……0.5……0.25 6 ……0.4……0.16 7 ……0.5……0.25
計……4.2……2.82
ΣXi=5.7,ΣXi^2=6.77[区間i=1,5] ΣYi=4.2,ΣYi^2=2.82[区間i=1,7]
(@) 仮説Ho:μx=μy (対立仮説H1:μx>μy)右側検定 (A) 有意水準α=0.05
(B) 標本数m=5,n=7 標本平均Xm=1/5ΣXi=5.7/5=1.14[区間i=1,5] 標本平均Yn=1/7ΣYi=4.2/7=0.6 [区間i=1,7] 母分散δ^2の代用Sxy^2=1/(m+n−2){Σ(Xi−Xm)^2[区間i=1,m]+Σ(Yi−Yn)^2[区間i=1,n]} =1/10{ΣXi^2−mXm^2+ΣYi^2−nYn^2}
=1/10{6.77−5×1.14^2+2.82−7×0.6^2} =0.0572
ここで検定統計量Tを T=(Xm−Yn)/√(1/m+1/n)Sxy^2 と置くと母分散が未知なので自由度(m+n−2)=10のt分布に従う。
(C)従ってt分布の数表より、 U10(α)=U10(0.05)=1.182
これから有意水準α=0.05による右側検定の棄却域Rは1.812<Tとなる。
(D) Xm=1.14,Yn=0.6より Tの実現値tは t=(1.14−0.6)/√(1/5+1/7)×0.0572=3.856
となる。検定統計量Tの実現値t=3.856は棄却域Rに入る。 従って「仮説Ho:μx=μy」は棄却される。
問題 22 上記問題の仮説Ho:μx=μyの代わりに仮説Ho:δx^2=δy^2 (対立仮説H1:δx^2≠δy^2)を有意水準0.05で検定せよ。
解) ΣXi=5.7[区間i=1,5] ΣXi^2=6.77[区間i=1,5] ΣYi=4.2[区間i=1,7] ΣYi^2=2.82[区間i=1,7]
(@) 仮説Ho:δx^2=δy^2 (対立仮説H1:δx^2≠δy^2)両側検定
(A)有意水準α=0.05 (B)標本数m=5,n=7 標本平均Xm=1.14,Yn=0.6
標本分散Sx^2=1/(m−1).Σ(Xi−Xm)^2=1/4(ΣXi^2−5.Xm^2) =1/4(6.77−5×1.14^2)=0.068
標本分散Sy^2=1/(n−1).Σ(Yi−Yn)^2=1/6(ΣYi^2−7.Yn^2) =1/6(2.82−7×0.6^2)=0.05
ここで検定統計量T=Sx^2/Sy^2と置くとTは自由度(4,6)のF分布に従う。 (C) F分布の表より、 W4,6(0.025)=6.227
W4,6(0.975)=1/W6,4(0.025)=1/9.197=0.109 有意水準α=0.05による両側検定の棄却域Rは 0<T<0.109と6.227<T
(D) Sx^2=0.068,Sy^2=0.05なのでTの実現値t=Sx^2/Sy^2=0.068/0.05=1.36 は棄却域Rに入っていない。 従って「仮説Ho:δx^2=δy^2」は棄却されない。
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