| 問題 31 2階線形微分方程式y"−2/x.y'+(2/x^2+4)y=4x (x>0) を標準形に変換することによりこの一般解をを求めてみよう。
解) y"−2/x.y'+(2/x^2+4)y=4x…………@(x>0)について P=−2/x、 Q=2/x^2+4、R=4xと置く。
ここで@の一般解をy=U(x).V(x)と置くと、 y'=(U.V)'=U'.V+U.V'
y"=(U'.V+U.V')'=U"V+2U'V+U.V" y"+P(x)y'+Q(x)y=R(x) …………@’
@’に上のy',y"を代入すると U"V+2U'V'+UV"+P(U'V+UV')+QUV=R
VU"+(2V'+PV)U'+(V"+PV'+QV)U=R …………@" これを標準形U"+IU=Jにするために
2V'+PV=0とする。つまりV'=−1/2.PV …………A' これを変数分離形の一階の微分方程式より
1/V.V'=−1/2P ∫1/V.dV=−1/2∫P.dx
logV=−1/2∫P.dx V(x)=e^-1/2∫P.dx …………B
となる。 次にA'の両辺をxで微分して V"=−1/2(P'V+PV') …………A"
@"のUの係数V"+PV'+QVをA'とA"を使ってVの式にまとめると V"+PV'+QV=−1/2(P'V+PV')+PV'+QV=(Q−1/2P'−1/4P^2)V
これを@"に代入すると U"V+(Q−1/2P'−1/4P^2)V.U=R
両辺をVで割ると U"+(Q−1/2P'−1/4P^2)U=R/V
標準形U"+IU=Jより I=Q−1/2.P’−1/4P^2
J=R/V なので以上により
V=e^-1/2∫P.dx=e^∫1/x.dx=e^logx=x …………B' I=Q−1/2.P'−1/4.P^2=2/x^2+4−1/x^2−1/x^2=4
J=R/V=4x/x=4 するとUは標準形の微分方程式U"+IU=JよりU"+4U=4 …………C
Cの同伴方程式U"+4U=0 …………D Dは定数係数2階同次微分方程式なので
この特性方程式λ^2+4=0を解くとλ=±2iとなる。 Dの基本解はU1=cos2x,U2=sin2x
Cの余関数はC1cos2x+C2sin2x …………E となる。
また、この特殊解Uoは公式より Uo=−U1∫4U2/W(U1,U2).dx+U2∫4U1/W(U1,U2).dx
ロンスキー行列式W(U1,U2)は W(U1,U2)=|U1,U2|=|cos2x,sin2x| ……………|U1',U2'|…|-2sin2x,2cos2x|
=2cos2x.cos2x+2sin2x.sin2x =2cos^2.2x+2sin^2.2x=2
Uo=−cos2x∫4sin2x/2.dx+sin2x∫4cos2x/2.dx Uo=−2cos2x(-1/2)cos2x+2sin2x(1/2)sin2x
Uo=cos^2.2x+sin^2.2x=1 Cの一般解はU=1+C1cos2x+C2sin2xとなる。
A、B'より、@の一般解は y=U.V=x(1+C1cos2x+C2sin2x)
となる。
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