■28436 / inTopicNo.10) |
超越論的論理学 序論U−3
|
□投稿者/ うましか -(2023/01/03(Tue) 01:29:30)
| 2023/01/03(Tue) 01:31:01 編集(投稿者)
pipitさん、こんばんはー
最近なんとなくカント語に対する抵抗感?が少なくなってきたようにおもいます…
気のせいかな(;´・ω・)?
それとも…また溺れているだけなのか(/・ω・)/沼
*******
T 超越論的原理論 第二部門 超越論的論理学
序論 超越論的論理学の理念〔Idee:構想〕 U 超越論的論理学について〔Von der Transzendentalen Logik〕
◆ 一般論理学〔Die allgemeine Logik〕は、私たちが示したように、認識の全ての内容を、換言すれば、認識と客観との全ての連関を捨象し、認識相互の関係における論理形式、換言すれば、思考一般の形式だけを考慮する。ところが、(超越論的感性論で立証したように、)〔直観には〕純粋な直観もあれば、経験的な直観もあるので、おそらくはまた、対象の純粋な思考と経験的な思考との間にも、或る区別が見いだされ得るだろう。この場合、認識の全ての内容がそこでは捨象されるのではない、一つの論理学〔eine Logik〕があることになろう。なぜなら、単に対象についての純粋な思考の諸規則のみを含むような論理学は、経験的な内容を持っているかもしれないような全ての認識を、単に排除するに違いないからである。 ところで、このように内容を捨象しない論理学は、また諸対象についての私たちの認識の起源〔Ursprung unserer Erkenntnisse von Gegenstandes〕をも考究するであろう。ただしそれは、この起源が、それらの諸対象に帰せられ得ない限りにおいてである。これに対し、一般論理学は認識のこうした起源を何ら問題とせず、諸表象を、それらがそもそも初めからア・プリオリに私たち自身の内に与えられていようが、或いはただ経験的に与えられていようが、悟性が思考するときに、悟性がそれらの諸表象をそれによって相互に関係付けるのに用いる諸法則に従ってのみ考察するものなのである。それ故、この一般論理学は、どこからそれらの諸表象が生じたものであろうと、それらの諸表象に与えられ得る悟性形式についてだけ論ずるのである。
※1 「〔認識の〕内容を捨象しない論理学〔eine Logik〕」… 諸対象についての私たちの認識の起源〔感性と悟性(知性)?(;´・ω・)〕についても考える。(ただし、この起源が、それらの諸対象に帰せられ得ない限りにおいて。) → これに対し「〔認識の内容を全て捨象する〕一般論理学」は、認識の起源は何ら問題とせず、与えられた諸表象を相互に関係づけるのに用いられる諸法則(悟性の形式)についてだけ論ずる。
--- No.28383 からの続き ---
◇ ところで、ここでどうしても私〔カント〕は、一つの注意を与えておく。この注意はあらゆる今後の考察に影響を及ぼすので、人〔読者〕はよく念頭においておかねばならないものである。
◇それは、あらゆるア・プリオリな認識〔*1〕が超越論的と呼ばれなければならないのではなくて、 或る種の表象(直観ないしは概念)が、 もっぱらア・プリオリに適用され、或いは可能であるということを、 また、いかにしてそのように適用され、或いは可能であるのかを、 私たちがそれによって認識する、ア・プリオリな認識だけが、 超越論的(換言すれば、認識のア・プリオリな可能性ないしは認識のア・プリオリな使用〔*2〕) と呼ばれなければならない、という注意に他ならない。
*1 試しに、「経験に依存しない、あらゆる認識」と訳してみます。〔第二版序論,原佑訳上巻,p.81参照〕(;・∀・) *2 これも試しに、認識の「非経験依存的な可能性」ないしは「非経験依存的な使用」と訳してみます(;’∀’)
† 原佑訳上巻、p.196〜p.197参照。 † その他に、中山元訳2、p.27、石川文康訳上巻、p.114を参照。 †≠ナ囲まれた言葉は、カントが『純粋理性批判』文中で強調したものです。 † 翻訳はしますが、◇〜は私が便宜上用いた区分けであり文章は原文・訳文の通りではありません。 † 文中〔〕内は私による挿入、*1、*2〜や、※1、※2〜は私の覚書とします。これらは後に訂正、削除、修正等することがあります。 † ◆〜は原典における段落とします。
*******
U−1 No.28334、U−2 No.28383、U−3 No.28436 T−7 No.28210 T−4 No.28011、T−5 No.28045、T−6 No.28161 T−1 No.27245、T−2 No.27255、T−3 No.27310
*******
序論 T No.27245,27255,27310,28011,28045,28161,28210,28334 U No.28334,28383,28436
|
|