| 2022/12/08(Thu) 16:23:15 編集(投稿者)
こんにちは、floraさん
辰砂が三重の鉱物とは知りませんでした。多気の丹生鉱山というところも行ったことありません。今度行ってみます。 伊勢神宮の何かにも何かの形で使われていたかもですね。
金剛院の住職は深沙大将の《深沙》を《辰砂》に結びつけられていましたが、中野美代子氏は能「大般若」を引き、真蛇との結びつきを指摘されています。また深沙大将は神蛇大王と呼ばれることもあるようです。どちらにせよ深沙大将が腕に巻き付けている蛇が重要なポイントになります。
住職は蛇からの連想で深沙大将が水の神ではないか、という説を立てられていますがボクもそうだと思います。
深沙大将は多聞天の化身であるとされています(観音菩薩の化身とも)。多聞天は北方を守護する神で、五行で北に配されるのは水です。また玄奘がゴビ砂漠で水を失い、死を覚悟しているところに現われ、玄奘を叱咤激励したのが深沙大将であったというエピソードは、玄奘の人気と共に大変有名になりました。このゴビ砂漠は莫賀延蹟とよばれ、又、砂漠の砂が風で流れ波のような風紋が出来るところから流沙河と呼ばれていましたが、後の時代の中国、もっと南の砂漠を知らない人々の間でいつのまにか本当の河であるように思われました。写真右は西遊記で、観音菩薩が流沙河で沙悟浄に出会い、取経僧の供をするように勧めている場面です。流沙河は水の流れる河になっています。余談ですが沙悟浄の首にはドクロの瓔珞がみえます。
このように多聞天が北方神で五行では北に配されるのが水であること、深沙大将が現れた流砂河がいつのまにか河という認識になったこと、深沙大将が身にまとう蛇が竜と繋がり、竜神が水神であるところから蛇神も水の神という連想が働き、深沙大将は水神という認識ができたのではないかと思います。
写真左は高野山にいらっしゃる深沙大将ですが、台座をみると確かに波の上に立っていらっしゃいます。
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