| 呪術的思考と科学的思考の相違についてレヴィストロースは、「記号」と「概念」の違いと表したが、このことを別の表現で表わすと「構造」と「歴史=出来事」の違いであるとした。
構造に適した思考 → ブリコラージュ的な呪術
歴史と出来事に関する思考 → 科学
この二つは同じものから発達しながら、分裂し対立しあうようになった、と考えることができる。
「構造」は循環的な活動をするので、異質な要素をブリコラージュの方法で取り込むことが可能で同じサイクルを反復させていくことができる。
(ここまでは、前回の投稿より再掲。)
「構造」に収まり切れない条件、要素が発生し「構造」が機能しなくなり、変わって「歴史」の思考が前面に出てくるようになった。 進歩、発展ということが「歴史」の思考の特有性。 その「歴史」が人間の思考を支配するようになった。
「構造」を「冷たい(クール)」 「出来事(歴史)」を「熱い(ホット)」 と、レヴィストロースは表現した。 未開の地などのエントロピーの低い社会が「冷たい社会」で、そこでは「構造」が循環的に作動できる。 エントロピーが増大し秩序が解体していくと、「構造」が機能しなくなり「熱い社会」が生まれてくるという考え方。
・・・・・ 上記文章は、『100分de名著 野生の思考 レヴィス=トロース』を読み、まとめさせていただいたものになります。p49〜p50
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