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Re[8]: オケの醍醐味
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□投稿者/ flora -(2020/07/28(Tue) 23:09:01)
| 田秋さん、こんにちは
色々とありがとうございます。
日本にいた頃、中国の文明に興味を持ち、3回ほど行きました、西安、敦煌と行きたかったのですが、当時(20年ほど前かな)は敦煌等で観光客が窃盗にあったなどどいう話を良く聞き、西安までとなりました。 とにかく何もかにもが規模が大きいし、顔の形や瞳や髪の色の違う人々も結構いて、当時の世界都市長安をしのばせるものがありました。 もし機会があられましたら、ぜひ一度は訪れたほうが・・・ところで扁額を書かれたのは田秋さんですか?
========================== >さてオケの醍醐味ですが、室内楽とかソナタとかではない、オケ特有の醍醐味ということになると書くのが難しかったです。全員がノリノリ状態になってオケ全体が波打っている状態のことになるんでしょうが、客席からはウェーブしているオケ全体が見えますが1奏者としては演奏中にそういう体験というか実感はあまり記憶がありません。オケのプレーヤーは完璧な部品を目指すようなところがあります。それを指揮者に提供し指揮者はそれを使って音楽を作っていくわけです。 >https://www.youtube.com/watch?time_continue=30&v=TpWpqs864y0&feature=emb_logo >ただ全くない訳ではありません。第9の4楽章、8分の6拍子になり、テナーのソロ(1'00''25)〜オケのフーガ(1'02''00)〜コーラスがメロディを歌う(1,03''40)〜2分の3拍子になり男性コーラス「Seid umschlungen」(1'05'22)〜ドッペルフーガ(1'13''24)〜辺りはオケの醍醐味だと思います。
ご面倒をおかけしたようで、申し訳ありません。評論家の数は星の数ほどあると思いますが、実際にプロとして長年演奏をなさってきた方から伺うお話はまったく違います。プレーヤーの個々の部品があってオケの全体が完成するわけですから、観客はやはり指揮者と入れたその完成度に引き込まれてしまうのだと思います。この時点では同じ空間にいるすべての人が一体化しているのでしょう。
>あと、オケに限定するならオケでしか出せない音というのがあります。 >https://www.youtube.com/watch?v=9uwpuyc7nS4 >バルトークのオーケストラのためのコンチェルトの終楽章35'05'辺りから、注目(注耳?)は弦楽器の伴奏です。始まったら一時中断して楽譜を見て下さい。「sul pont」と書いてあるでしょう。これは駒近くを弾いて軋んだような音を出す奏法です。これを弦セクションがppで始めます。一つ一つの音はさして重要ではありません。弦全体から醸し出される[ざわめき}の効果、これはオケの醍醐味です。
はい。全体で醸し出される雰囲気が素晴らしいですね!
>https://www.youtube.com/watch?v=Les39aIKbzE >もう一つ以前にも書いたマーラー5番の4楽章アダージェットのフラジオレットの下降グリッサンド(7'51'')、これもオケならではの醍醐味だと思います。 これはいつ聞いても美しいです。楽器と音の組み合わせがすごい!
>オケに限定しないなら、あークラシックやってて良かった、と思うことがあります。曲は何でもいいのですが、あるパッセージ、それも別にメロディじゃなくてもいいのです、どうやって弾こうかと考えていると、作曲家も頭の中でもこの音が響いていたんだなあ、きっと色々考えていたんだろうなあ・・・そう空想しているとタイムスリップし、まるでその作曲家に会っているような錯覚をおこします。作曲家とシンクロナイズするというか・・・
確か塩野七生さんがどこかで書いていたと思うのですが、ダンテが派閥争いでフィレンツェから追放され、毎日のつまらない仕事から解放された後の唯一の楽しみは、食事のあと、フォーマルな服に着替え、過去の作家思想家等の本を読むことだったそうです。それによって過去の偉人たちと対峙できるということのようです。音や、著作を通して偉大な人たちとの対峙は素晴らしいと思います。
>他のプレーヤーと一体感を感じるのは圧倒的に弦楽四重奏です。4人ですから当然と言えば当然で、ちょっとしたアイコンタクト、呼吸などそれぞれの息吹を感じながら演奏します。音楽の方向性なども指揮者がいないわけですから全て自分たちで作っていくので練習も段違いに緻密です。音程を合わせる、リズムを合わせる、こういうのは室内楽では当たり前のことなのですが、指揮者がオケでこれをやり始めるとみんな嫌がります。
そうですね、弦楽四重奏はお互いがお互いの音を指針(?)としながら全体で運動していくんですよね。 オケでこれをやる指揮者にはどんな方がいますか?
>色々書きましたが、「オケの醍醐味」を一般論として言うことは僕にはできません。
もちろんです。一般論として田秋さんが書かれたなら、信用しませんもん(爆!)
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