| みなさまこんばんは。
カント哲学に出てくる意味での『図式』の参考になれば、と、 『カント事典』弘文堂、p279.280の前半を、抜粋引用します。
引用開始、太田伸一さんによる解説です。 『図式[(独)Schema]
概念(普遍的表象)は、どのようにして直観(個別的表象)およびその対象に適用されるのか、
あるいは同じことであるが、
直観の対象は、どのようにして概念の下に包摂されるのか。
この問題を解決するために、概念と直観をつなぐ第三のものとして考えられるのが図式である。
さて、概念の直観への適用が問題になるのは、直観と概念が異種的だからである。
直観の個別性は、空間・時間の表象によって可能になる。 これに対して、概念の普遍性は、空間・時間を捨象することによって可能になる。 直観と概念の異種性は、空間・時間に関する異種性なのである。
そこで、カントは、一方で空間・時間の表象と関わるものとして直観と同種的であり、他方で普遍的なものとして概念と同種的であるような「図式」を考えることによって、概念の直観に対する適用の問題を解決しようとするのである。
ある概念の図式とは、「概念にその形象(Bild)を与える構想力の一般的なはたらき方の表象」[B179-180]である。
(略)
形象を描き出すために、構想力によって綜合されるべき多様な表象は、空間・時間の形式に従っている。 したがって、図式は、空間・時間の表象と関わるのであり、その限りにおいて直観と同種的である。 また、図式は規則としての普遍性を持つ。その限りにおいて、図式は概念と同種的である。
このような図式が根底にあって、概念が直観の対象に適用されること(直観の対象が概念の下に包摂されること)が可能になるのである。
(略)』 引用終了
(カント哲学における『図式』は、直観に純粋悟性概念を適用させる場面が最大の見せ所だと思いますが、難しいので今は横に置いて、) とりあえずの大枠の理解としては、
直観と概念をつなげる、構想力の働きによる概念のイメージ的なもの、それがカント哲学の文脈での『図式』なのかな、と、今の時点では思いました。間違えてるかも。
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