| 科学的思考では「概念」を組み立てるところからはじまり、できるだけ具体的要素は取り除いた形で数値化されたものを基に考察されていく。
対して、原住民の呪術的思考は、「記号」を用いて行われる思考だとレヴィストロースは考えた。 記号とは、「何か」(外的対象や観念)を代理することによって、記号自身とは別のものを指示するもの、なのだそうだ。 黒猫が不吉さを表す、花が女性を表す、帆がヨットを表すなどがその例。
記号は概念と違って、最初からズレやゆらぎが含まれていて、そのため、当初の意図とは不可避的にずれたものが出来上がることがある。 呪術的思考の特徴を、こうしたところにレヴィストロースは見出したようだ。 そして、この特徴を「ブリコラージュ」とレヴィストロースは名づけた。
素材を記号的に組み合わせて絵を描いた画家として、フランスのアンリ・ルソーがあげられるそうだ。 彼の絵は、以前にもあるきっかけでネット上で観たことがあるけれど、たしかに、ジャングルを背景にソファーに横たわる全裸の女性が描かれていたり、砂漠に楽器を持った女性が寝ていてその脇にライオンがおとなしくいる、というように一見不思議な取り合わせで描かれている。
|